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都留市役所 生成AIワークショップ|参加者アンケート結果まとめ(第1回・第2回)
ワークショップレポート

都留市役所 生成AIワークショップ|参加者アンケート結果まとめ(第1回・第2回)

はじめに

2025年8月27日と9月4日、都留市役所にて職員向け生成AIワークショップを2回にわたり実施しました。
STEP1は「生成AIを知ろう」、STEP2は「生成AIを業務に活かそう」をテーマに、基礎的な理解から実務への応用までを体験していただきました。

本記事では、2回のワークショップ終了後に実施した参加者アンケート(第1回19名・第2回10名)の結果を公開します。定量データと参加者の声から、職員の意識変化と今後の可能性を整理しました。

第1回アンケート結果(8月27日実施)

STEP1:「生成AIを知ろう」

定量結果(平均値・10点満点、n=19)

満足度:8.4

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  • 「8点」が最も多く36.8%

  • 「10点(非常に満足)」が31.6%

  • 「9点」も15.8%あり、8〜10点で全体の約84%

    「3」と厳し目の評価の方もいらっしゃいましたが、「簡単ですでに知っていることが多かった」とのご意見でした。

業務活用意向:7.9


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  • 回答は「6〜10点」に集中し、特に「10点(非常にそう思う)」が26.3%と最多でした。

  • 一方で「5点(どちらとも言えない)」も1名おり、「具体的な活用イメージがまだ持てない層」も少数ながら存在。

感情の変化

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  • 「活用したいと思った」:42.1%

  • 「興味が強まった」:36.8%

  • 「不安が少し減った」:15.8%

と、約8割(78.9%)が「興味」または「活用意欲」へと前向きな変化を示した

感情の変化に対する理由(抜粋)

  • 業務の効率化が見込めるため

  • 業務改善の可能性を大いに秘めていると感じたため。

  • 想像以上に的確な回答を得られるし、想定以上に早いから。

  • 知れば知るほど便利だと感じる一方、安易に使うことでリスク管理が難しくなると感じた。

  • 業務効率化に必須であると感じた

  • 文書作成については、非常に活用できると思ったから。

参加者は、生成AIの迅速かつ的確な回答に大きな可能性を感じ、業務効率化や改善への期待を高める一方、安易な活用によるリスク管理の必要性も強く意識しており、とりわけ文書作成分野での有効性を高く評価していました。

全体を通しての感想(抜粋)

  • 非常に有意義なワークショップであり、全職員に受講してほしい。

  • いままではアプリでいたずら程度に利用していただけだったが、ワークショップに参加したことにより、業務に大いに活用できると思った。とても楽しく学ぶことができ、ワークショップ形式の苦手意識も克服できた。

  • 常に新たな技術が生まれている分野と思われるので、定期的に最先端の情報に触れたい。

  • 生成AIに関する知識が少ない職員が多い中、わかりやすい内容でよかったと思う

  • 自治体の導入事案を教えてほしい。

参加者からは「全職員に受講してほしい」との声が多く寄せられ、遊び程度の利用から業務活用への意識転換が生まれました。楽しく学べる場であったことに加え、生成AIに不慣れな職員にも理解しやすい内容だった点が評価され、今後は定期的な最新情報の提供や、他自治体の導入事例の共有への期待も示されました。

第2回アンケート結果(9月4日実施)

STEP2:「生成AIを業務に活かそう」

定量結果(平均値・10点満点、n=10)

満足度:8.5


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  • 「8点」が最多で40%

  • 「9点」が30%、 「10点」が20%

  • 8〜10点で全体の90%を占める

  • 6点の回答が1名(10%)

第2回ワークショップでは、参加者の 9割が8点以上 をつけるなど非常に高い満足度を示し、実務に直結する内容が評価されました。一方で、唯一6点をつけた参加者からは「ファクトチェックが大変そうで活用できるか微妙」との声もあり、業務効率化と同時に正確性をどう担保するかが今後の課題であることが浮き彫りになりました。

業務活用意向:7.9

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  • 「8点」が最多で40%

  • 「10点」が20%、 「9点」が10%

  • 中間層として「5〜7点」がそれぞれ10%ずつ

  • 8〜10点で全体の70%

第2回では7割の参加者が「業務に活かせる」と高く評価し、特に文書作成や情報整理といった業務改善への期待が強く示されました。その一方で、中間的な評価をした参加者からは「ファクトチェックの負担」や「業務によって適用が難しいケース」への懸念も寄せられており、実装に向けては具体的なユースケース提示やリスク対応策の明確化が求められることが浮き彫りとなりました。

1日目/2日目の総括評価

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両日ともに多くの参加者がワークショップを高く評価し、「同僚にも勧めたい」と考える人が多数派でした。第1回では「業務に活かせそう」という手応えが強く、感情面でも「不安から期待へ」の変化が顕著に見られました。第2回ではさらに実務に直結した活用アイデアが共有され、参加者の70%が8点以上の高評価をつけ、全体の6割が「ぜひ勧めたい(9〜10点)」と回答しました。

一方で少数の参加者からは「ファクトチェックの負担」や「業務によって適用が難しい」という懸念も挙がっており、高評価の一方で現場実装に向けた具体的なサポートやユースケースの提示が課題であることが浮き彫りになりました。

「ワークショップ形式」に対する評価

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  • 「8点」が最多で40%

  • 「7点」が30%、 「10点」が20%、 「9点」が10%

  • 7〜10点で100%を占める

講義と実践を組み合わせた形式は非常に高く評価され、全員が「有用」と回答しました。特に、AIとの対話を通じて業務に即した課題解決を考えたり、グループワークで意見交換を行うことで、単なる知識習得にとどまらず、実践的な気づきや共通理解の醸成につながった点が大きな成果でした。

まとめ

都留市役所で実施した2回の生成AIワークショップでは、第1回で「生成AIを知る」、第2回で「業務に使って考える」というステップを踏むことで、参加者の多くが 不安から期待へと感情を転換し、具体的な活用イメージを持つ ことができました。

アンケート結果からは、満足度・業務活用意向ともに高い評価が示され、文書作成や情報整理といった業務改善効果への期待が特に大きいことが分かりました。一方で「ファクトチェックの負担」や「適用の難しい業務がある」といった慎重な声もあり、正確性を担保する仕組みや具体的なユースケースの提示が今後の課題といえます。

講義に加えてAIとの対話やグループワークを取り入れた形式は全員から有用と評価され、知識習得だけでなく、実践を通じた気づきや組織内での共通理解づくりに大きく寄与しました。

今回のワークショップを通じて得られた成果は、単なる効率化にとどまらず、「時間をどう活かすか」「未来の働き方をどうデザインするか」という前向きな議論につながっています。今後は、寄せられた意見や支持をもとに試作・実装フェーズへと進め、都留市から全国の自治体に広がるAI活用の先行事例となることを目指します。

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